昨年12月31日のコミックマーケットC85において、ジャンル「アイドルマスターシンデレラガールズ」にて、サークル日々の暮らしは「双葉杏は謝らないからねっ!!」を新刊として発表しました。


 毎回直前まで本が出せるかどうか分からない当サークルですが、今回は特に前後の会社のスケジュールがあんまりにもアレでだいぶ怪しかったです。なんとかなってよかった。表紙用に絵をこさえる時間もなかったんですが、結果的に作中の絵がうまくはまってくれて、ラッキーでした。 サイトでは事後報告になってしまったお詫び的なものも兼ねて、「双葉杏は謝らないからねっ!!」を作った経緯などについてひとつ記録しておこうと思った次第です。

 その前に、委託の方はメロンブックスとComicZinでそれぞれお願いしています。よろしくね!

http://shop.melonbooks.co.jp/shop/detail/212001070049

http://shop.comiczin.jp/products/detail.php?product_id=19212

●「諸星きらり」の話をやりたかった



  

 きゃりーぱみゅぱみゅの「ファッションモンスター」を聞いて、これアカンごっつ泣けるわーと思ったのが最初のきっかけでした。 

ファッションモンスター 歌詞

 諸星きらりを「きゃりーと篠原ともえのハイブリッド巨人」だと思っていた自分にとって、特にこの曲の主張が諸星きらり感にピッタリはまった感があったので、この感じを題材に話を作れないかなあ、と思ったのが10月の話。   


きゃりーぱみゅぱみゅ

2009年秋にファッション雑誌『KERA』のストリートスナップに登場し、本格的に読者モデルとして活動を開始。性格は人見知り。母親から門限を課されるなど厳しく躾けられて育った。中学時代の部活は陸上部。

篠原ともえ

1996年夏から1998年にかけて、個性的な篠原のファッションを模倣するティーンエイジャーの女性が数多く現れ、一種のファッションリーダーと化した。当時華盛りだった安室奈美恵のファッション「アムラー」と共に「シノラー」と呼ばれるファンを多く抱え、子供や女の子だけにとどまらず男女・年齢問わず男シノラーや親父シノラーが登場するなど社会現象となる。まもなくその名が篠原の愛称にも転じた。


 とか考えてたら、もう12月に(この時点で既に11月は遠い彼方)なって、さすがにネームくらいはできてないとって段階で何も出来てなくて。諸星きらりの内面をビジュアルで表現するためにはそれなりに画面に密度がないといけないと思うよ!それを作画に反映させるのはすごく時間がかかりそうだよ!

6%DOKIDOKI WEB SHOP - カラーミーショップ

 って思いながらカヴァーアルバム聞いてたら、「学園天国」と「ルル」を柱にして、主人公を杏の方にしたらうまくまとまりそうな気がしたので、そこからスパートさせました。 この時点で印刷所の最初の締め切り終了。クリスマス当日まで突っ走るコース確定。



●アンズチャンときらりん



 最初に作ったモバマス本のメインが杏きらだったので、

 ぶっちゃけこの頃、今ほど公式の絡みもなかったし、キャラクター探る手がかりも少なかったんで、かなり好き勝手妄想してました。最終的にきらりと杏のどっちかが死ぬ話だと思って作ってた。しかし時はそれから一年。公式でも絡ませられる事が多くなった二人なので、もはやこの二人が仲が良いか悪いか自体はそんなに重要じゃない!
「諸星きらりがどんだけ真剣に人生を勝負しようとしているか」を主軸にして、杏がそこにひたすら横槍を入れるプロットが出来たのですが、ネームに起こしていく過程で、結果的にその全部が杏に戻ってくる話になったので、ああもう面白いかどうかは別としてとりあえず話としてはまとまった!と半ば投げやりに思ったのが22日。締め切りまであと2日じゃないですか。

CDのドラマパート聴いててよく思うんですけど、基本的にこの世界のアイドルってすごい真面目なんですよ。杏チャンですら最初思ってたより全然マジメだった。

THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER

杏チャンのきらりに対する想いとか考え方は、最初からそんなに変わってなくて、でもその出方は年を重ねる毎に変わってくるだろう。諸星きらりという人間の内面も根本はそのままだろう。そのままゆえに、外見や地位は変わってゆくだろう。そのギャップを誰かが助けてあげられる話であればいい、っていう自分の考え方がそのまんまシナリオになりました。全部結果論ですけど。いきあたりばったりバンザイ。


●『学園天国』とフットルース


きらりの曲が「学園天国」として、象徴の代替としてミュージカルを入れ込みました。最初に思いついたのがサタデーナイトフィーバーだったんだけど、これはテーマ的に重すぎた。(ディスコでフィーバーフィーバーみたいな映画だと思われがちだけど、本当はものすごくマジメで悲しい映画で、でも最後にちゃんと希望がある終わり方をするので、大変おすすめです)。次にGREE見てみたんだけど、現在進行形すぎてそもそも古典として引用できなかった。ドラマ自体はめちゃくちゃおもしろかったです。あとHuluで追っかけてたらビッグバンセオリーに夢中になってしまって大変でした。


『フットルース』タイトル曲はきっと多くの人が聴いたことがある「マクドナルドがアメリカっぽい奴を売ってる時に鳴らす例の曲」です。これは主人公が学生だし、悩みの深さも、それに向き合う生真面目さもすごくいいんじゃないかと思いました。(しかしこのトレーラーだけ見るとめちゃくちゃバカみたいな映画っぽくて逆に笑える)

フットルースのみならず、せっかく同人誌なので、実際にあるものはごく一部をのぞき基本的にそのまんま名前引用しました。それ以外でも、なんとなーく連想させるエピソードがヒントレベルであれこれ詰め込まれてます。半分は意図せずですが。

  • ハイ!ハイ!パフィーアミユミ

  • 篠原ともえの変貌(と言うのは失礼なんだけど、でもざっくり見るとそう言わざるをえない)

  • 宇多丸 ギャラクシー賞

  • ディズニーの声優にしょこたん

  • なんか50代くらいになって突然「世界平和」「奉仕」って言い出してそういう活動をする感じのアーティスト


芸能活動って基本的にめちゃくちゃ大変な世界だと思ってるけど、一人の一般人としてそういう人たちを見ていて本当に面白いなあと思うのは、もう生き方自体がコンテンツなわけです。アイドルだって、アイドルのまま生き続けるっていう選択肢ももちろんあって、その選択肢も見つめたまま自分の考え方に生き方の方を最適化してゆく過程、それそのものがものすごいドラマだと思うわけです。上でもちらっと触れましたけど、私はRHYMESTERすごく好きで聴いてたので、武道館ライブで解散した後まさか宇多丸さんがこんな方向でメジャーになるなんて思ってもなかったですよ。



たくさんの人の気持ちを動かそうと思ったら、それ相応の場に出なくてはいけなくて、その経過で「んー?」みたいな事をやらなきゃいけなかったりするのが社会というもので、それに向き合う覚悟が「責任」じゃないか。合理性は常に結果こそが正しい。正しい大人の生き方。

●でも『そんなもんくそくらえだ!』って言える大人にも、ちゃんといて欲しいよね


というお話になりましたとさ。

●そしてアイドルは続く




モバマスの同人誌で自分はよく「そして年月は流れ今は」みたいな事をよくやりたがるんですが、それって「モバマスのキャラクターの自立性が強い」事に安心して頼ってるからで、その上で「今はこう、で、この先はどうなる?」てのを考えるのが楽しいんですよね。そこからまた元ネタを振り返るとまた新しい愛おしさがあり。

モバマスがいいなあと思うのは、キャラに対して「芸能界に所属している」以外の縛りを作ってない事です。学校でこんな感じ、とか程度の情報はあるけど、その詳細を定義づけてないので、いくらでも遊べる。余白が多いって大事な事だと思います。

なのでまたモバマスの本作れればいいなと思ってます。次の本こそアイドルアイドルした感じの内容にしたい。なんとかして「ススメ☆オトメ」を本に落とし込めないかと思ってるんですが、大変そうなのでどうなるかは未定です。ありがとうございました!